カンタの春休み～一日目のはじまり～

つい先日、甥っ子カンタがまた一人で東京に遊びに来ましたの。張り切って丸２日間、朝から晩まで９才の鉄ヲタにつき合って遊んだら、ぐったり疲れて回復までに４日くらいかかったゆきぴゅーですが、旅の記憶がフレッシュなうちに書き留めておかねば！というわけで、昨年タダごはで書いた『カンタの夏休み』、『カンタの秋休み』の続編、『カンタの春休み』をお届けいたします。この間の北海道の時みたいに長編になってしまうかもしれませんがそれは知りませんあしからず。

えー、さて。ふたりの待ち合わせは前回と同じく新宿駅でしたの。長野新幹線で大宮に到着したカンタが何時発の埼京線に乗るかっていうところまで決めて、その電車が到着する新宿駅のホームでゆきぴゅーが待っているという計画でした。が！約束の電車が到着してどっと人が降りてきても、なぜかカンタの姿が見当たらないんですの。

（えっ？！えっ？！なぜですの？どうしたですのー？！）

真っ青になりながらホームの端から端までダッシュしながら探すのですがやっぱりどこにもいません。そのうちに大宮方面からの次の電車が到着してもそれにも乗っていません。あぁこんな時にケータイさえ持っていれば！と嘆いてもあとの祭り、、、。一体どうしちゃったんですの？！カンタの身に何があったですの？！心配で心配で体が震えてきて『誘拐』という恐ろしい２文字が頭に浮かんでくるありさまですの。あぁ神サマ仏サマ～！そのうちにゆきぴゅーのケータイに「甥っ子は預かった！今から１時間以内に２億円用意しろ！」っていう電話が来るんじゃないかって思ったら、（どうするですの？！２億円無いですわー無いですわー）と、意識もうろうとなりかけたところでホームを歩いていた駅員さんをとっ捕まえて、

「あ、あのぅ！このホームで小学３年生の男の子と待ち合わせをしていたんですが、約束の電車から降りなくて、もう２０分くらい経っているんですが、その後の電車にも乗っていなくて、もう困っちゃって、しかもわたくし２億円なんてなくって、、、、こういう時どうしたらいいんでしょう？！」

「えーと、迷子ですね。放送かけましょうか？どんな服装だとかわかりますか？」

「た、たぶんリュックを背負っていると思うんですの。あとは、、、えーとえーと、、、、」

とその時ですの。ケータイに着信ですの！こ、こりは間違いなく誘拐犯からの電話ですわー！

「ももももも、、もしもし？！」

すると、

「あ、ゆきぴゅー？かんちゃんだけど」（←超冷静）

「かかかかか、かんちゃん？！いいいいいいいいまどこですの？！」

「南口の公衆電話」

「そこに居て！絶対に動かないでそこに居てね！わかった？！」

「うん、わかった（ブチっ）」

駅員さんにお礼を言って猛ダッシュで南口の公衆電話に向かうと、そこにはちょっぴり不安そうで、ちょっぴり申し訳無さそうなカンタの姿がありました。

「どうしたですの？何があったですの？どこにいたですの？心配したですのよーーーーーー！！！」

「えーとねぇ、大宮で乗る電車間違えちゃったんだ。先に来ていたやつに乗ったらなんとそれは各駅だったんだよ。だからさっき着いたところ」

何はともあれ無事に会えてよかったですわ。なんでも電車を降りたらすぐに、慌てず駅員さんに公衆電話の場所を聞いてかけてきたそうな。

「ホームを何往復もしたからゆきぴゅー汗びっしょりになっちゃったですわよ」

「じゃジュース買う？」

「そうですわね」

とこんな感じで一日目はスタート。始まる前からすでにエネルギーの半分以上を使い果たしたゆきぴゅーは、それから長い鉄ヲタとの旅が始まるのであります。

つづく（あー、長くなりそう）