「きのうのハ・ロン湾はとってもよかったですわー。むにゃ・・。」
と、のそのそと昼頃起きた5日目。
今日は何をしましょと、とりあえずインターネットカフェにてくてく歩いていきましたらお師匠様からメールのお返事が来ていましたの。
メールの様子から相当ヤバイ状態であることがわかりましたが、わたくしはベトナム。どうしてあげることも出来ないので、
哀れに思いましたがほっとくことにいたしました。
が、メールの最後に「生春巻き修行はどうだ?」と一言書いてあるではありませんかっ。
そうですわ!すっこーんと忘れていましたがわたくしは今回生春巻き修行にきたので
すわ!た、たいへんですの~。まだ一回も食べておりませんわー!とあわてたんですの。
しかしよく考えてみれば街の道端でフォーを売ってるお店はたくさんあるのに生春巻き屋は一度も見てないのです。
それでホテル戻って従業員のにいちゃんに
「”なまはるまき”はどこ行ったら食べれますの?」と聞いたのです。
すると「”なまはるまき”ってなんだい?」というではありませんかっ。
なんですと~?!生春巻きのお国の人だモノって、あんたの国の代表的な食べ物じゃございませんの~、と言っても分からないみたいなので
「地球の歩き方~ベトナム~」のカラーで載ってる生春巻きの写真を指差して「これですわ、これ!」と言ったのです。
すると「あ~これね、これは..う~ん..」
と首をかしげて「もしこれを食べたいなら、ちょっと高級なレストランに行かないとだめだよ」とそっけなく言うのです。
今回は修行の旅だからそんな高級レストランに行けないんですのよ、
屋台とかでおばちゃんの作り方をこっそり教わって帰ろうと思っていたのに..と涙ながらに身振り手振りで話すと、
「この料理は確かにベトナムのトラディッショナルな食べ物なんだけどそこらへんの
道端で売ってるものじゃぁないんだよ。わかるだろう?」
「なんでですの?!生春巻きのお国の人だもの、じゃないのですの?!」
「だってさ~」
「だって?」
「こんな暑い中で生物を屋台で出して、なまもの食わせたら、腐ってはらこわすじゃん」
おおぅ。おにいちゃんインテリですわ。東南アジアは腹壊すのは常識なのは、日本人の腹が弱いせいと思っていたら、
現地の人々でもおなか壊すのですね。でも現地の人の腹下しは、日本人にはそうとうきついのですわ!
とりえあず納得してうなずくわたくしにそのにいちゃんはある提案をしてくれました。
「キミ、フエに行ったらどうだい?フエはその昔王朝のあった場所で伝統的な王宮料理が有名だよ」と言うのです。
はぁ、フエですか、フエというとハノイからどのくらいかかるのかしらん、、とガイドブックを開いて見ていたら
「ほら、電車のチケット。今予約してあげたから今夜の便で発つといいよ」
とわたくしの意思などまったく無視して勝手に進めてしまったんですのよ。ま、
でもハノイも歩き回ったし見知らぬ土地で鉄道の旅もいいかしらん、と思ってさっそく支度を始めたんですの。
そして夕方。フエで数泊してまた必ずここに戻ってくるから部屋を確保しといてちょうだいませね、といったんチェックアウトして、ついでに”
部屋のお荷物、フエまで持っていけないから預かっててちょうだいね”、とお願いしたんですの。
「OK!気をつけていってらっしゃい」と言ってわたくしの部屋にその荷物を確認しに行った従業員のにいちゃんは
「こ、これ全部置いてくもの?」と、ででぇぇ~んとベッドの上に置かれた数日間に買いまくった荷物を見て卒倒しておりましたわ。
では行って来るですわ!
とすっかり乗りこなせるようになったモーターバイクでびゅ~んとハノイ駅まで行って夜10時発の電車に乗りこんだのです。
にいちゃんが予約してくれたのはソフトベット(エアコン付)という寝台車でしたが、
この国では何度も常識を覆されていましたので期待はしてはおりませんでした。案の定行って見るとコパーメントのベッドは4つ。
上下2人づつの2段ベッドになっておりましてすでにわたくし以外の3人は入っていましたですの。
もちろん男女混合で、2人のベトナミーズ男性と旅行者らしき外国人の女の子。
彼女はわたくしの顔をみるなり「よかったわぁぁぁぁ~~~あなたがいなかったら私とっても心細かったのぉ」と言いました。
わたくしは下の段で彼女は斜め上のベッドでしたがお互い自己紹介をしているとゆっくりと電車が動き始めましたの。
彼女はサンフランシスコから来た”リザ”という子で偶然彼女もフエに行くとのこ
と。
とっても気さくな感じのコで「私も一人だし、よかったらフエで一緒に過ごさない?」
と言ってくれて安心してさぁそろそろ寝ましょうかとなりましたの。
わたくしは”明日起きたら古都フエに着くのね”、と興奮しながら
「ねぇ、リザ。明日の朝は何時にフエに着くのかしらん」
と聞きましたら、
「え?朝じゃないわよ、昼過ぎの2時よ」
と言うのです。
「に、にじぃ~???」
ってことは、、と指折り数えて
「じゅ、じゅーよじかん、ですか!まいがーっ!」
そうとなったらひたすら寝るに限るですわ!と必死に目を閉じて眠りにつこうとするのですが何せ慣れていない電車の横揺れ。
しかも少しずつベッドのマットレスが横にずれて気付くと体半分が通路に出てしまうのです。
おまけに上のおっさんのいびきが始まってなかなか寝付けずにいましたが、いつのまにかオチテいましたの。
で、翌朝。
車掌さんの「朝めしの時間だ!」というでっかい声にびっくりしてベッドから転げ落ちて起きましたですの。
つづく。
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