その日『はまなす』はふだん1両のみの自由席車両を3、4両ほど増やして走ってくれたようです。それでも通路やトイレの前のほうには立っている人がたくさんいてちょっと心苦しかったのでありますが、この時は心を鬼にして下を向いて寝ておりました。幸いにして立っているのは強そうなお兄さんばかり(に見えた)。
札幌を出発して、新札幌→千歳→南千歳→苫小牧→登別→東室蘭→伊達紋別・・・・とゆっくり南下していきます。
↑こんなこともなければ絶対に見ることがなかったと思う真夜中の伊達紋別駅。名前が素敵。
そのうちに「車内の照明を落とします」というアナウンスがあり、ようやく夜行列車の様相を呈してきました。半分夢の中で「まもなくおしゃまんべ~おしゃまんべ~」のアナウンスを聞き、その後完全にオチたゆきぴゅーが次に起きたのは函館駅(AM2:52)でした。どうやらここでディーゼル機関車を切り離す作業があるらしく約30分停車するとのこと。お隣のメガネのお兄さんが席を外したと思ったらしばらくして戻ってきて、
「外、冷っとして気持ち良かったですよ。行ってみたらどうですか?」
というので、ちょっと暑すぎる車内から外の空気を吸いに出てみると一瞬で目が覚めてしまいましたわ。
↑午前3時の函館駅。それにしてもなんでわたくしはこんなところにいるのか、、、。
↑お疲れ様です。
↑とりあえず撮ってみたはまなすの洗面所。BBつばめにありそうな内装ですの。
函館を定刻3:22に出発した「はまなす」は、いよいよ津軽海峡線に入ります。がここでびっくりしたことがひとつ。函館駅からは電車の進行方向が逆になるんですのね!なのでそれ以降は終点の青森まで後ろ向きで進むんですの。一瞬また札幌に引き返すのかと焦ってしまいました。
窓の外は真っ暗なのですが、かろうじて海とその向こうの陸地が見て取れました。明日(というか今日)の昼間ここを通過する内山先生はどんな景色を見るのでしょうかグリーン車で。さて、そろそろ青函トンネルに入るのかしらという頃、メガネのお兄さんとこんな会話。
「わたくし、青函トンネルって初めてなんですが、きっと真っ暗で何にも見えないですわよね」
「あの、それって海中トンネルってことですか?」
えっ?そこ?!今さらその質問?!と内心びっくりしちゃったのですが、それほど東京にいれば青函トンネルなんて縁のないところなわけですね。そんなところを今から通ろうとしているわけですね。あの時スマホの電池が十分にあったならば、Wikipediaで青函トンネルを検索して読んで差し上げたかったですわ。
で、再び襲ってきた睡魔に負けたゆきぴゅーは何の意識もないまま人生初の青函トンネルを通過してしまったのでした。
まだつづく
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