夜の通勤ラッシュ時間帯、めずらしく都内で電車待ちをしていたら、ゆきぴゅーの後ろにサラリーマンのおじさんが立ちましたの。あと、2,3年で定年という感じのそのおじさん、足元には大きな朝顔の鉢があるんですの。ゆきぴゅーはそれを見て、
(あぁ、きっと入谷の朝顔市がはじまったんですわ。久々に今年は行きたいですわ~)
な~んて考えていたら、しばらくするとそのおじさん、携帯を取り出して誰かに電話しはじめましたの。盗み聞きするつもりはなかったのですがすぐ後ろなので会話が耳に入ってきちゃいましたの。
「あっ!もしもし。ワタシです。お元気ですか?・・・そう、それはよかった。ところでね、ボーナスもはいったことだし、朝顔でも持ってこの週末に顔だそうかと思ってね。・・・えっ?あ、ダメなの?あ、そうなの。そうか、そうですか。わかりました。・・・・・はい、じゃまた次の機会にね。・・・そうね、来月にでも・・・・ええ、はい、ではまた。」
おじさんが朝顔を持って会いに行きたかった相手が誰なのか知る由もありませんが、その“誰か”のためにボーナスで買った朝顔の鉢を持ってその晩、一人さみしくお家に帰るおじさんが哀れに思えてなりませんでした。きっとこの夏おじさんは、あの朝顔を自分で育てるんですのね。来月は会いに行けるといいですわね、そんなことを願わずにはいられない七夕の前夜だったのでした。
コメント
コメント一覧 (2件)
ちょっと悲哀を感じる話ですね〜
嫁いでいった娘さんのところか,なじみの飲み屋のママさんのところ…
男はいつも,寂しさを抱えて生きているんです(笑)
cattleさん
会話から、なじみの飲み屋のママさんのところ、って感じがしました。
でもボーナスで朝顔を買うっていうの、すごくいいと思いませんか。
すてきなおっちゃんですわよね。