「朝めしだー」の声に飛び起きたのはいいんですが何が出てくるのかと思いきや、な、
なんと肉まん一個と水。朝から肉まんですかっー!!!と怒る気にもなれず、むしろこれはギャグではないかと思い、
一人つぼにはまって肩をふるわせて笑っておりました。
すると、隣のベトナム男性が肉まんかじりながらわたくしを見てつぼにはまって笑っておりました。
でも斜め上のベッドのリザはちらりと肉まんを見ただけでまた眠りにつきましたの。あたりまえですわ、ふつうですわ。
肉まん大好きなジャパニーズのわたくしでさえ、朝から肉まんはちとキツイですわ、なのにリザが食べるわけがございませんのよ。
あぁ~ん、これじゃ昼ご飯も期待できないですわ、と仕方なく窓から見える外の景色を眺めておりましたの。
田園風景がどこまでも続いているド田舎ですわ。それにしても電車の遅いこと遅いこと。時速40キロくらいで走ってるに違いありませんわ。
だってだって横の道を走る車やモーターバイクがどんどんどんどん電車をぬかしていくですのよ~。
地図で距離を測ってみるとちょうど東京から大阪間くらいなんですのよ。そこをちんたらちんたら14時間かけて走っているんですわ~。
うとうとしかけた数時間後、今度は「お昼ご飯だ~」の声でたたき起こされたですのですわ。
さすがのわたくしも朝は食べてないみたいなものなので、お腹がすいてきゅるきゅるでしたの。
肉まんの次はなんですの~と思っていましたら出てきたものは意外にもまともなお弁当でしたわ。白米にお肉と野菜の炒めたもの、
謎の葉っぱのスープ….。リザも下に降りてきて一緒に食べましたの。
昼食が済んで、またうとうとと寝ていましたら遠くから「フエ、フエ!」の声がするではありませんか。
あぁいよいよ着くのね~そろそろ準備しなくちゃ、と起き上がりますと電車がゴットン、と止まりましたの。
周りを見回すとそこは駅??つ、着いたですの~?そ、そんな、まだ荷物がぁぁぁぁ!!!リザ、リザ、起きてぇぇ、、フエよ、フエ、、
バタバタバタ・・・
と、それからの記憶はぷっつりと切れておりまして、気が付くと二人とも両手にガイドブック、ウエストポーチ、バックパック、水、
なぜか肉まん、とりあえずすべての荷物を持ってフエの駅に突っ立っておりましたわ。
寝ぼけていたリザも相当慌てたらしく自分の荷物を線路脇で一つ一つ確認しておりました。
街中の見た目のよさそうなホテルにチェックインしたわたくしたちはツインの部屋に泊まることにしてシャワーを浴びさっそくフエの街を散策に出かけたんですの。
フエは街の真ん中を大きな川が流れていて静かでゆったりした落ち着いた雰囲気の街でわたくしはすぐ気に入りましたの。
さすがベトナム最後の王朝の置かれたところですわ。
まず行ったのはドン・バ市場という巨大なマーケットでそこには野菜、洋服、お菓子、果物、ニワトリの丸焼きと丸焼きになるまえのニワトリ、
魚、布団、漢方薬…
ありとあらゆるモノが売られていて活気がありましたですの。
わたくしたちはそれぞれ祖国では見たこともないようなカラフルな果物を大量に買って、帰りによさげ~なレストランに入ったんですの。
わたくしは何がなんでも生春巻きと思い、またまた「地球の歩き方」を出して指差すと「うちにはそれは無いんです」と言うではありませんか。
がぁ~ん。いったいどこに行ったら食べれますの~?!
まぁ仕方ないですわ、まだ時間はありますもの…と思って他の物を注文してお腹がいっぱいになったところでリザが
「このフルーツ切ってもらいましょう」とステキな提案をしてくれたのでウエイターさんを呼んでお願いしましたの。
川から吹くここちよーい風とおいしい南国フルーツですっかり気分をよくした二人は帰りしなに「マッサージ」の看板を発見!
顔を見合わせてにっこりうなずいた瞬間二人の足はそのお店に向かっておりました。
フットマッサージ&フェイスマッサージをやってもらってついでにマニキュアなんかもお願いしてトロ~ンとなりながらホテルに戻りましたの。
ガイドブックを広げて明日は「王宮を巡る川くだりツアー」
に行こうということになって気づいたらそのまま二人とも朝までオチテしまいました。
つづく
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